釣り上げたばかりのキスは、妖しいような色をして輝いています。
これは先日の全日本キス釣り選手権大会で釣り上げたキスです。
妖しく光る魚体に魅せられ、写真に撮ることにしました。
しかし、カメラを車に乗せたままだったので、仕方なく携帯で写してみました。
(釣り上げたばかりのキス、中でも暗いところでライトや月明かりに照らされた魚体はとてもきれいです)
もちろん太陽光に反射する、あのパールピンクの輝きも素晴らしいと思います。
先日の全日本キス選手権大会、五日市インター→防府東インター→萩と走ったと書きました。
萩市街に入る手前、元有料道路の料金所だったあたりに道の駅「萩往還道」があり、その前に何体もの明治維新の功労者の銅像が建っています。
この銅像は、左から高杉晋作、吉田松陰、久坂玄瑞と並んで建っている。
このところ、福山雅治演ずる坂本竜馬がものすごいブームになっている。
確かに、坂本竜馬の生き方や成し遂げた事などを見ると、この人気は十分うなづけるし、大好きな維新の功労者の一人です。
しかし、私はどちらかと言うと高杉晋作の方が好きです。
郷士出身と身分の低かった坂本竜馬に比べると、200石の家柄と恵まれた環境を持っていたが、やはり彼の人間臭さが私は好きなんです。
彼が残した言葉で、
「吾去れば 人も去るかと 思ひきに 人々ぞなき 人の世の中」
「朋友の信を見るに 死、急、難の三事を以て 知れ申し候」
など、如実に現代の付き合いを表しているから素晴らしい。
わが師も晩年のころは、つとめて釣りの話題を出さなくなっていた・・・・・・。
「吾去れば 人も去るかと 思ひきに 人々ぞなき 人の世の中」
小西和人氏の【楽しみを釣る】の本、4月の購入時には19人だったわがクラブは、知人も含め24冊の購入があったが、小西名誉会長にお世話になった方々ではどのくらいの注文があったのだろうか・・・・・。
「朋友の信を見るに 死、急、難の三事を以て 知れ申し候」
『酒と旅を愛した詩人 若山牧水』
『植物学の大家 牧野富太郎』
『旅する民族学者 宮本常一』
若山牧水は日向(宮崎県)の東郷町に生まれ、日本国中を旅してたくさんの詩(うた)を残している。
私が好きなのは、中国地方を巡りて10首のうち
『けふもまた こころの鉦(かね)を打ち鳴らし 打ち鳴らしつつあくがれて行く 幾山河越えさり行かば 寂しさのはてなむ國ぞ今日も旅ゆく
峡(かひ)縫ひて我が汽車走る 梅雨晴れの雲さはなれや吉備の山々』
この詩たまらなく好きなんですよ・・・・・。
他にも、旅中即興の詩として、周防國(山口県東部)伊保庄村(現柳井市伊保庄)の友人宅に泊まった時に詠んだ詩
『石蕗(つわぶき)の花咲きみてり 君が家の寂びて並べる庭石の陰に 月夜にし今宵ありけり遠く来て 泊まれる此処の庭を見やれば』
この詩も大好きなんです・・・。
続いて牧野富太郎博士、高知県の佐川町生まれの植物学の大家。
日本の植物学と言えば、まず第一に思い浮かぶのがこの牧野博士。
現在より格段に交通の便も悪かったと思える昭和初期に、広島県山県郡の(現在北広島町の)八幡湿原に2度も訪れ、カキツバタの群落に感嘆し、ナデシコの汁を服に付けて喜んだりしたと伝えられている。
(1984年、高知市の五台山にある牧野植物園に行ったおり、牧野富太郎博士の銅像の前で撮った写真。台座には「にぎりたけ にぎりがいなき 細さかな」の句が刻んである。私もずいぶん若くてスリムでしたね・・・)
最後は、周防大島(旧東和町西方)出身の、民族学者宮本常一。
旅する巨人という本も出版されている。
多い年は年間200日以上旅をして、ややともすると見落とされがちな生活・風俗・習慣などの写真を撮り続け、離島振興法などにも尽力された偉人です。
この偉人、3人の生き方を見ていると、孔子が自分を評して言った言葉を思い出します。
『憤を発しては食を忘れ 愉しんでは憂いを忘れ 老いの将に至らんとするを知らざるのみ』
多分、この3人の偉人はこのような生き方をされたのだと思います。
私の釣りライフの折々、この3人の旅を愛した偉人をお手本に楽しんでいる。
叙情は若山牧水を、植物は牧野富太郎を、風俗・習慣は宮本常一をお手本に釣り歩いている。
もちろん釣りは鴨谷計幸師、写真は鴨谷師を介して知己を得た広島の写真界の第一人者『迫幸一先生』を念頭に置いている(迫先生とは面識はありますが、直接お教えを請うたことはありません・・・)
おとといの釣りは、『旅する釣り人』の本領発揮で走った走った・・・・。(世の中、釣り師とか釣り士とか自分を称している人がいますが、私はとてもそんな域には達していません。『旅する釣り人』とでも言わせて下さい。)
昭和51年7月4日、この橋が開通しなければとてもこんな風景にはお目にかかれなかったはず・・・・。
(当時は600円、つまり今回なら3往復で3600円掛かっているのだが・・・・)
走り回ったお陰で、カレイは28㌢だったがネズミゴチとキューセンベラのAランクぎりぎりが各1匹づつ釣れた・・・。めでたしめでたし・・。
孔子の言葉で、人間が常に心掛けておくべき心得としてこの五つの事柄があります。
その中でも、私は礼に重きを置いています。
礼・・・・・・、これはただ単に礼儀正しいとか、挨拶が出来ればいいというわけではありません。
私の友人の中で、一緒に釣りに行った日には必ずその日の内に、無事帰着の報せとお礼の言葉をメールや電話をしてくるお二人の方がいます。
このお二人は、世間一般で言うところの地位では、私など問題にならないくらいの地位にあった方です。
誰も前日からの釣りは疲れることと思います、しかしこのお二方は絶対に、その日の内にメールや電話をして来られます。
それに対して私も、必ずねぎらいのメールをその日の内に送ります。
よく言われる言葉に『ほうれんそう』(報告・連絡・相談)というのがあります。
やはりこのお二方のように、実社会で成功・出世される方はこのようにどこか違うのだと思います。
確かにメール社会の現代、いちいちどのメールにも必ず返信していては、エンドレスになりどちらからかが適当なところで止めなければなりません。
そこで、私の考え方の根底にあるのは『仁義礼智信』のうちの仁です。
この仁の中には、長幼の序という考えかたがあります。
やはり、よほどの内容ではない限り、目上の方が受け取ったメールで一旦小休止・・・・となるのがと考えます。
私がサラリーマン時代に心掛けていた言葉・・・・・
★すべてのリクエストに対して、24時間以内に解答せよ、完全解答が無理なら第一報を送れ。「ノーアンサーは何もやっていないと同じ」
他にお役に立てそうな言葉は
★自分が「いいかっこしよう」とか、「ちょっと恥になる」と思っているうちは「自分かわいさ」が先に立って、問題意識が極限に至っていないということ。
★否定的な発想ばかりで「いかにできないか」という説明ばかりうまくなる人。
★仕事というものは、ちょっとたまってくると面倒になって冷蔵庫に入れてしまう。確かに当分の間は腐らないが、時が経つにしたがってだんだん悪くなる。
★一ヶ月以上経っても向上の兆しが見えないのは、真剣に取り組んでいないか、何もやっていないか、全く無能力かのいずれかだ。
★納期に間に合わなかったら死刑になると言ったら絶対にやります。初めから「すみません」と言ったら助かる気持ちがあるから納期が延びる。
などなどが私の常に心掛けていた事柄です。
このブログを見た、お若い方にとってひとつでもお役に立てれば・・・・と思って、敢えて釣りのブログに載せてみました。
私は直接お合いした事はありませんが、やはり釣り界においては損失とも言える出来事だと思います。
その方の告別式に向かうクラブの大田会長に私は、「我々も十分すぎるほど気を付けないといけない年齢に来ているんですね。身体をいとい、名を惜しみ、友(仲間)を大切に、心置きなく最後のその日まで釣り(釣り行為そのものでなくとも、釣りに関する仕掛け作りや、原稿書きなど・・・)を楽しみたいですね」とメールを送りました。
彼からの返事は「そうですね、やはり命あってのもの、電車の中で安岡正篤さんの本を読んでいました。
六中観というのがあり、
『忙中閑あり』
『苦中楽あり』
『死中活あり』
『意中人あり』
『壺中天あり』
『腹中書あり』
という考え方が記してありました。ご参考までに・・・。」
との返事が来ました。
この六中観は、いろいろと訳されています。
理屈や打算 功利一点張りになってくると、どうしても人間はコセコセしてぎこちなくなる。
味がない人間も器量が大きくなればなるほど、そうゆうものが脱けて余裕が生まれてくる。
その余裕を養うものが風流なのだ、いかなる『壺中の天』を持っているか、それがこの人物の器量を決定する。
難しいお話になっちゃいましたね・・・・。
最後は柔らかいお話で・・・・。
2月14日は『バレンタインデー』
チョコレート屋さんの陰謀なのか、今年は逆チョコなどのお話が出ていた。
私もサラリーマン現役時代は、仕事の性格上多い年は20数個のチョコレートを貰い、複雑な気分になったこともある。
お返しの時期はもう大変で、私の性格上自分でお返しを選んでいたので、デパートの中を汗びっしょりになって品物選びをしていた。
ある年のこと、チョコレート売り場のメッセージカードをいろいろ見ているうちに、「貴女は義理でも、おじさんは本気だよ!」というカードを見つけ、それを全員に入れたことも懐かしい。
さて、今年のバレンタインデー、うれしい贈り物があった。
私は、決して飲んべえではないが、おいしいお酒を少しずつ味わうのが好きで、いろいろ釣りに行った時などに買って帰りたしなんでいる。
写真のお酒がそれで、広島では知る人ぞ知る銘柄ながら、私はいつでも呑めると考え、今まで呑んだことはなかった・・・。
ちゃらちゃらしていなく、かと言って勿体ぶった味でもない・・・。
呑んで、蓋をしたあともまた少し気になる・・・・、そんな酒だ。
(バレンタインデーにいただいた、何か気になるお酒・・・)
私が強く印象に残っているお酒は、出羽の酒で淡麗辛口の『雪漫々』、そして吟醸も吟醸大吟醸、愛媛の酒『媛の愛』がある。