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特集は《行こうぜ!!メバル釣り》です。
メバル釣りで思い出すことが二つある。
大みそかと言えば家族みんなで紅白歌合戦を見ながら、年越しそばを食べて・・・・というのが世間の相場。
30~40代のころの10年あまり、へそ曲がりの私は、大みそかは夕方から出かけて能美島、江田島辺りでメバル釣りをして年を越し、翌元旦は投げ釣りをして帰っていた。
能美島などでは、波止からのメバル釣りだったので、その港のお家の裏を通ると賑やかに紅白歌合戦の歌声がテレビから流れている。
一家団欒で暖かいだろうなぁ・・・・・と水洟をすすりながら、冷え切ったメバル竿を握っていた。
除夜の鐘が鳴り始めると、ご近所の氏神様に初詣での人たちの下駄の音が・・・・・。
その光景が、今でも目に浮かぶが、肝心の年越しの釣りの内容はあまり浮かんでこない、つまりはただの意地っ張りの10年間だったような・・・・・・。
昔から『意地張るよりは頬張れ』と言う。
メバル釣りでもう一話。
会社勤めの折、お世話になった釣り好きな方が転勤になるということで、最後の釣行にと広島湾に浮かぶ似島に行きました。
夕方から夜はメバル釣りをして、夜が明けてからは投げ釣りを・・・・・と、がその計画。
何を血迷ったか、メバル竿を片手に漁船に乗り移るための、ブイの上に板を張ったものに片足を掛けた。
当然、その小さな筏状のものは「スゥイー」と護岸から離れるように動く。
そちらに飛び移ればいいものを、ついつい安全な岸壁の方に戻ろうと、重心を筏状のものから離れる体制をとったものだから、勢いついて「スゥイー」と筏は離れて行く。
当然のように私は岸壁と筏状のものの中間に「ドッポン!!」。
真冬の海中に転落した私の耳に、似島発の最終フェリーの汽笛が聞こえたような・・・・・。
着ていた厚手の防寒着を慌てて脱ぐと、ポケットやあちこちからザーっと海水が。
素早く脱いだので、袖口を除いて下着までは濡れてなかったものの、寒いのなんの・・・・。
結局、その日の釣りは「ジ・エンド!」で、最終フェリーを逃して家にも帰れず、車の中で寒い寒いと震えて一夜を過ごしたのを思い出します。