結局、【中甑】の存在すらあまりよく分からなかった一行は、上甑島と中甑島ではあまり釣り場も把握できないまま、4月28日上甑島の中甑港を9時35分発、下甑島長浜港10時15分着の高速船シーホークに乗船するため、チャーター船で中甑島平良港を出発しました。
長浜港に着いた一行は、港の右手に広がる砂浜を目指して一目散。
荷物は下船した場所に置いたまま・・・・・・・・。
貧乏性の私は、荷物が気になるので荷物の番を兼ねて、船を降りたその場所で釣り始める。
一投目から23~24㌢の良型が竿先を大きく引き込む。
試しに置き竿にしてみると、「ガラガラっ」と大きく竿を転がして28㌢が、続いてやはり26㌢以上のランクものが・・・・・・。
この調子だと、砂浜に行ったみんなは、さぞかし引き釣りを楽しんでいることだろう・・・・・と一人気を揉む。
小一時間して、みんな帰ってきたが顔色が冴えない・・・・・。
その時の鴨谷師の記事を引用してみよう。
「鹿島に寄港して長浜着が10時15分、港の北側に長い砂浜があって、キスのひそむ藻が点々。。ここまで岸壁がダメだったのでと、竿一本で砂浜に散開。プルプルッというアタリはミニギスかと思ったら15~20㌢のオキエソがダブル、ダブル。」
「このときまでは、甑くんだりまできてこのザマは、と大いに後悔している最中だったが、船着き場に戻ると一人残った小池君が「型の良いのが釣れるョ」と目の前で釣りあげて見せたのが27㌢オーバー。しかも丸々と肥って片手ではつかめない。」
と書かれています。
このあと30㌢オーバーを2匹追加した私は、竿も持たずに鴨谷師のお供で、町営バスに乗り手打の港見学へ。
以前熊本でのハゼクチ釣りに行った時も、鴨谷師から「せっかく熊本に来たのだから、殺生ばかりしていないで、観光に行って旨いものでも食おう」とお誘いを受け、水前寺公園へ行って馬刺しなどを食べたこともあります。
(熊本の水前寺公園で、鴨谷師と私)
あまりガツガツ釣りばかりしないことを、師から習ったのが今に生きていて、今回のようにまったく釣れなくても、また甑島に行きたいなぁ~・・・・・と思うのです。
パート1で、わざわざ当時の年齢を書いたには次のような訳があります。
手打港の防波堤を歩いていると、波止と波止の隙間が20~30㌢くらい開いた箇所がありました。
そこで、鴨谷師が足元を見ているので、「どうしたんですか?何かいるんですか?」と聞きました。
すると「いや、どうやって渡ろうか?と思っとるんよ」と言われ、15歳違いの鴨谷師と私とでは違うのかな・・・・・・と不思議に思ったのが今でも忘れられません。
それから2年後、ダイワの【ザ・フィッシング】ロケで上五島にお供をした時、鴨谷師の滑舌がほんの一瞬ですが、口ごもられたのもよく覚えています。
残念ながら、それから3年後の平成元年に病にかかられましたが、それらは前兆だったのではないか・・・・・・と、師の思い出を私の健康の不調と比較させていただいています。
話が横道に逸れましたが、第一回目の甑島釣行はこのようにして終わりました。
鴨谷師と阪本さんは、この年の6月にも再度甑島に行かれたので、鴨谷師にお願いをして甑島特有の【サツマチドリ】を2万円分買って帰っていただきました。
(下甑島固有種のサツマチドリ)
次に私が甑島に渡ったのは、1985年9月に落ちギスはどうだろう・・・・・とのことで行きました・・・・。