タイムシのお話の次は、ホンムシのお話をするつもりでしたが、古くからの友人からキス釣りにおいてのゴカイのさし方についてメールがあったので、今回はイシゴカイ、青ゴカイについて私見を述べてみます。
(イシゴカイ)
(青ゴカイ)
一般的に、イシゴカイよりも青ゴカイの方がグラムあたりの単価が安いので、キス釣りなどでも青ゴカイを購入する人が多いようです。
でも私は、キス釣りの場合はイシゴカイの方を勧めています。
なぜならば、売り方はゴカイの匹数ではなく、匁方で打っているのですから、かなり太めの青ゴカイよりはスリムなイシゴカイの方が、同じ匁方だと匹数が多いからです(太い青ゴカイをぶつ切りにして縦には刺せませんからね)。
さてさて、その友人からのメールの内容は「投げ釣り倶楽部を見ましたが、徳島の矢野さんが大ギスを釣る時に頭が下に向くように・・・・・・と書いていましたが、女房もあのつけ方で大ギスを釣っています」との内容でした。
(友人が見たという《投げ釣り倶楽部 岳洋社》)
(投げ釣り倶楽部特集、矢野勝彦さんのつけ方)
(矢野勝彦さん、青ギスの研究で吉野川のシロギス集めにご一緒していただいた時の写真)
ゴカイの刺し方でもう一つ似たようなお話を・・・・・。
(左は日本全国をまたにかけて大物を釣り歩く、友人のつりきち三平さん、右側はこれからお話しする長崎県対馬を隅々まで知り尽くしている 奥島昌幸さん)
(奥島さんが大ギスについて詳しく書いている《投げ釣り秘伝(海悠出版)》)
(奥島さんの理論、いつも青ゴカイの頭へのちょんがけで釣っているとのこと)
お二人の名人のお話を合わせ考えると、なるほど・・・・・・と思わせます。
普通なら、ハリに刺したゴカイをキスが吸い込むときは、手っ取り早く尻尾から吸い込むように思われがちですが、実はゴカイなどは海底では尻尾から出ているのではなく、頭が巣穴の入口方向を向いているのです(自然界で、無防備にお尻を出すなんて考えれれませんよね)。
このように、自然界においてシロギスが、巣穴から体の一部を出しているゴカイを見つけたときは、本能で頭のすぐ下部分を咥えて、「ブルンブルン!」と勢いよく巣穴から引っ張り出して吸い込むと考えるのが自然です。
となると、ハリに刺されたゴカイも同じように、頭に近い部分から咥えると考えられます。
では、なぜ矢野さんや奥島さんの刺し方ではなく、上図二番目のような刺し方でもハリに掛かるのかというと、頭に近い部分から吸い込んでも、大ギスならば違和感さえ与えなければ、口の中にハリごと入るからです。
ハリスの張りやハリの重さを感じたら吐き出すことがあるので、できるだけ針先部分をキスの口内に吸い込ませるには、よほど小さなハリを使う以外は、矢野さんや奥島さんの刺し方の方が、大ギスをゲットする確率が高くなると言えます。
では、警戒心の強い時は固い頭を切って・・・・・・というお話がありますが、それはどうなの?と思う方もおられるのでは。
ゴカイの場合は、フィッシュイーターを狙うルアーのように、目玉や口などは必要ありません。
キスから見て頭部分と感じるだけでいいのですから、固い先っぽだけを切り落としても問題ありません。
ん?チロリなどのように切って使う場合、頭部分は一個しかないのであとはどうなの?という疑問にぶち当たりますよね。
ゴカイでも、体の半分下部分でも食わなくはありませんが、長く修羅場をくぐってきた大ギスの場合、ゴカイのやわらかい下半身部分だけだと、かなりの確率でエサだけ吸い取るのでは?
せっかくのチャンス、へそを曲げてそんなリスキーなことはしませんね私は。
以上、大ギス狙いの折のお話です。
大ギス狙いではなく、昼間の中小型の引き釣りでは、ゴカイを3等分して使うことがありますが、小さなハリで常に動かしているので、キスもためらうことなく食ってくるのでしょう。
以上あくまで、私見ですので目くじらをたてないでください。
今日のぷりん
ぷりん農園のイチゴが次々と赤く熟れています。
(よしっ!と声を掛けても遠慮して前に出てきません)
(横目で見るだけで、生ったままのイチゴを食べようとはしません)
(念願かなってぺろり!)