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モミダネウシナイ
 モミダネウシナイとは愛媛地方のアイナメの呼び名。
 もみ種を蒔くこの時期が一番おいしいので、大切な種もみまで炊いて食べてしまうということからこう呼ばれているそうだ。
 その他には、あまりにもおいしいので、大切にしていたもみ種と交換してでも食べたい。という説明もなにかで読んだことがある。


 一方、カレイのほうも「花見ガレイは皿まで舐めろ」と言われるくらいおいしい時期になった。
 3月下旬にこの二つを食べ比べたが、私の感覚ではモミダネウシナイの方がおいしく感じた。もちろん嗜好の問題なので、みなさんいろんに感じることと思う。
 桜満開となる4月、花見ガレイの味の挽回を願う今日このごろ・・・。

 前置きが長くなったが、アイナメについて少しお話してみます。
 どうも見た目はカレイの方が神秘性が感じられ、アイナメより人気があるが、どうしてどうしてアイナメはすばらしいターゲットです。
 なによりも、ガン!ガン!と竿先を叩くようなあのアタリはたまらない。これはカレイよりテレビ向きであると言える。アタリがあってカメラを回しても、確実に再度竿先を揺らしてくれるのがありがたい。
 あのアタリからいかにもどん欲と感じられるが、なかなかどうして。
 ずいぶん警戒心の強い魚で、鴨谷師の言葉に「アイナメはエサが腐るほど置いとけ」というのがある。違和感を感じたら、身体を岩やカキヒビの竹に密着させ、じーっと身じろぎもせずエサを注視している。
 それに意外や意外、エサ盗りも上手な部分もある。以前、山口県の柱島にある新宮鼻という場所でアイナメ狙いをしていた時のこと、何度かエサのホンムシが無くなっていて、この時期のエサ盗りとはなんだろう?と不思議に思いながら釣っていた。
 その後潮まわりがよくなったのか、竿先に明確なアタリが出始め、当日のクライマックスは34㌢と31㌢のアイナメのダブルで釣れてきた時。これくらいのサイズになると、2匹ともがあっちにこっちにと引っ張りっこしながら上がってくる。こんな光景を見たのはその時が初めてだった。
 気分を良くして家に帰り、アイナメの腹をさいて驚いた!なんとそのうちの1匹のおなかから、きれいにハサミで切られた4~5㌢のホンムシが3つ出てきた。
 自然界に、きれいに切れたホンムシが存在するわけもなく、それらはあきらかに私がそれまでに盗られたエサであることは疑いようもない。
 その時まで、私はアイナメという魚はどん欲で、エサがあれば必ず飲み込み、ハリ掛かりしてしまうくらいに考えていた。
 その日以来、鴨谷師の言葉とそのことを重ね合わせ、アイナメ狙いをしている。
 もちろん、潮まわりのよい時などは警戒心も薄れ、どん欲にガンガン!竿先を揺らしてくれることは間違いないのだが。
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2008/04/02 09:54 | 未選択

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