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寅次郎に会えたか。
私の好きな作家に司馬遼太郎さんがいる。
 その司馬さんが、ずいぶんと前に山口県防府市で講演した時のこと、松陰(吉田松陰)は弟子たちの長所をなるべくさがしてほめた。鋭い頭の持ち主は他人の短所ばかり目につくが、松陰は優しく。長所に目を向けることができた。皆さんは人から「おまえの長所はこれだ」といわれたことはありますか。教えてもらった人はわずかだと思います、不幸にして、吉田寅次郎に出会うことはないのです。私もそうでしたと。

    
  
 司馬さんは中学2年のとき、《寅次郎》に会うことができた。
国語の先生が、作文の授業のとき、教室中がざわざわしていた。福田定一君(司馬少年)は騒ぎには入らず、窓の外をぼんやり見ていた。勉強に熱が入らず、ぱっとしない中学生活を送っていたころのこと、将来にあまり希望もなかったそのとき、先生がクラスメートにいった。
「みんな彼を見ろ、窓の外を見て、何を書こうかと考えている。ざわざわしないで彼のようにやれ」と。
ただぼんやり外を見ていただけなのにほめられた。
「こんなことは幼稚園以来はじめてのことでした。そんなにおれを認めてくれたのかと感激して、しかしだからといって真面目になったわけではないのですが、少なくともその感激は心に残っています」と・・・・・・・・。

 私はと言えば、鴨谷師から「君のことは小うるさいヤツだと思っていたが、逃げないから買っていた」との評価に、嬉しかったのか55年ちかくもの全日本サーフ連盟の会員生活を続けている。
 私の短所であるところの「小うるさい」と言われただけだったら、鴨谷師から疎外され、とっくに連盟から離脱していたことでしょう。

  

(鴨谷師の奥さまにシャッターを押していいただいた写真)

 鴨谷師の奥さまから「娘といつも話している、小池さんが一番(病気になられてから)よくしてくれたねと」と、言っていただいたのもうれしい一言でした。






































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2021/08/12 12:12 | 小難しいお話

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